似て非なる「全きょうだい」

全きょうだいの遺伝子共有率は50%、半きょうだいは25%です。つまり、全きょうだいでも半分は違う遺伝子を持っているのです。 人も馬もその遺伝子数は万という単位なので、半分違うというのはかなりの数です。

遺伝子は1つでも違えば全く違う特質の個体になることがありますし、悪性の遺伝子をたった1つ持っただけで死に至ることもあります。 例えばドミノ倒しを想像してみて下さい。膨大な数のドミノを念入りに立てていたとしましょう。 しかし、たった1つのドミノの置き方を誤ってしまったら、その後ろのドミノは倒れなくなり大失敗に終わります。 また、開始前に1つのドミノを誤って倒してしまったら、その後ろのドミノは全て倒れてしまい、これも大失敗に終わります。 これは、邪悪な遺伝子が1つあっただけでも身体が機能不全(病気)になることと同じです。

「全きょうだいでもなぜここまで違うのか?」という声もどこかで聞きました。考えてみて下さい。 あなた自身が自らの兄弟姉妹と「同人種」と言われたなら、どんな気持ちがしますか???

過日、ツイッターを眺めていたら、Aという馬の半弟のBという馬は、父が違うから特性がこのように違う……というようなコメントを見ました。 確かに父が変われば、そのきょうだいの特性も変わることは間違いないでしょう。 ただそれ以前に、全きょうだいにおいても、一般に思われている以上に違う部分があることを力説したくなることがしばしばあります。

ブラックタイド、ディープインパクト、オンファイアの違い、さらにはドリームジャーニー、オルフェーヴル、リヤンドファミユの違いを、 ここでちょっと考えてみるのもいいかもしれません。同血なんだから種付料も同じでいいじゃないか! なぁんてことはありえなく……。

ついでながら、ドリームジャーニーとリヤンドファミユは鹿毛、オルフェーヴルは栗毛です。 ステイゴールドとオリエンタルアートの配合において、その仔が鹿毛系か栗毛系かの比率は1:1です(メンデルの「分離の法則」)。 当たり前ではありますが、どの毛色の遺伝子をもらうかは全きょうだいでも個々により違い、これはコインを投げて表も出れば裏も出るのと同じです。

(2018年11月21日記)

戻る