高額だから高品質……とは限らない

お盆休み、自室の模様替えをし、オーディオのセッティングもしてみました。音が命のオーディオ(←当たり前)はスピーカーが肝要です。

そこで、アンプと繋ぐスピーカーケーブル。これには本当に色々なものがあり、値段もビックリするほど差があるのです。 しかしマニアでない者が(マニアでさえも)そのケーブルの値段に比例する音質の差に気づけるのか? 果たして高価なケーブルを買う意味があるのか?

悩んだ私はネットで情報を検索したところ、面白い報告を見つけました。何十万もする高価なケーブルと針金ハンガーによる目隠し比較テストで、 その差を聴き取れなかったというです。単純な私は即座に近くのビックカメラに赴き、最も安価なケーブルを購入しました。

アンプやプレーヤーにしてもそう。オークションで数千円で手に入るものと、何十万円とするものの音質の差は確かにあるとは思いますが、それは音質全体から見たら、 ほんの微々たる部分かもしれないのです。些細な機能追加だけで価格が跳ね上がるものもあり、 ふと、「もりそば」に海苔をちょっと載せただけで値段が上がる「ざるそば」を思い出してしまいました(「もり」と「ざる」の本当の違いは他のところにあるようですが……)。

ここでようやく馬の話です。何を私が言いたいのかを薄々と感じられたとは思いますが、種付料や(特にセレクトセール等での)売買額は、 実際の「質」とはかけ離れた当事者の主観で決定されている部分が殆どなのではないでしょうか?

以前、当コラム欄の「なぜ特定の牝系から多くの活躍馬が出るのか?(その2)」に書いたとおり、 種付料と産駒の成績は連動しないと報告した論文もありました。確かに、何事においてもその本質(=価値)はそう簡単に見極められるものではありませんが、 超人気種牡馬の超高額種付料がそのままその額に見合う遺伝子の価値を示しているとは言い切れないということです。

どこの世界でも高額なものは必ず高品質であると思ってしまうんですけどね……。

(2018年8月20日記)

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