自費出版の裏話
昨日発売されたカンニング竹山さんの著書『福島のことなんて、誰もしらねぇじゃねえかよ!』は非常に興味があり、今度読もうと思っているのですが、
こちらのサイトにもあるとおり、
タレント本は本人が話したことをライターさんが書くのが暗黙のルールになっていることを知りました。
確かに、多忙極まりないタレントが、言葉のひとつひとつを直接紙面に落とす作業までやるなんてありえないことなのでしょうね。
我が『サラブレッドの血筋』は全て独りで取り回しているので、体裁など全くない冊子であることはご存知のとおりです。
初版と第2版はアマゾンからも販売しましたが、こちらにも書いたとおり、アマゾンに出品する際は半額近いマージンを取られます。
よって、アマゾンでの販売はかなりの自腹を切っており、売れれば売れるほど赤字となります。
先日、ふと拙著のことが書かれたサイトを目にしたのですが、そこには、ムック本であるのにこの値段は高すぎるというようなことが書かれており、
かなりのショックを受けました……。確かにムックというジャンルで販売させて頂いてはおりますが、詳細な樹形図を掲載していることから400頁超の構成であり、
その樹形図も1つの頁を書くだけでも膨大な時間と労力を費やします。2000頭近い馬を対象とした近親交配の統計解析結果も掲載しましたが、これも膨大なデータ処理を要し、
数年がかりの作業でした。
そんな拙著がなぜ「ムック」の扱いなのかですが、アマゾンに書籍を登録する場合、まず書籍種のジャンルを選択します。しかし拙著のような内容の書籍の適当なジャンルがなく、
そのような場合に登録代行業者からは「ムック」を選択するようにとの指示があり、仕方なくそのように登録したのが実情です。
また、書籍内容の登録カテゴリーも「ギャンブル」ぐらいしか妥当なものがなく、
ギャンブルには全く興味のない自分としては納得がいかない悶々とした気持ちがずっとありました。
先日、拙著を或る人に見せたら「立派な論文だ」と言われて、「そうか、自分の書いている内容は論文なんだな……」なんて改めて思ったりもしました。
記述した論評において、いくつかの海外の科学論文も引用しましたが、これら各々が10頁程度の論文のPDFをオンラインで入手する場合の代金は4000円ぐらいが相場です。
今般「ムック」なのに高価だと言われてしまいましたが、拙著が「論文」という扱いならばどうなのでしょうか?
確かに、科学的に掘り下げた内容を豊富に掲載した書物であっても、それに興味のない人にとっては無用の長物であり、そんなものを購入してしまったら、
間違いなく無駄と思うでしょうね。このことも考慮し、我がウェブサイトから直接購入下さる方には、内容に納得できたら後払いして頂くようにしています。
以上のようなこともあり、色々と考えた末、次版(第3版)はアマゾンからは手を引くことにしました。
来年の5月発行を目標に頑張っていますが、もしそのスケジュールを守るとすれば、来年の今頃は原稿が完了していなければなりません。
海外の方々にも読んで頂きたい思いからも拙著は和英併記で、英文も私が独りで書いておりますが、それを考えるとまず和文の原稿は遅くとも今秋には完成せねばなりません。
また、2001年以降生まれの全世界のGI馬を網羅した母系樹形図もなんとか次版では掲載したいのですが、年間500超(※)もある世界のGIレースですから、
そのデータは膨大で日々放心状態……。でもでも頑張りますよ!
(2019年3月9日記)
(※)数は毎年変動しますが、正確に数えてみると毎年 460 前後でした。訂正します。
(2020年4月22日追記)
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