我が母系樹形図(その1)
拙著『サラブレッドの血筋』の第3版には今世紀生まれの全世界のGI馬を網羅した母系樹形図を載せていますが、
購入下さった方はお分かりのとおり、その総頁数は 515 にも上り、かなり分厚くなっています。
そして、新たにGIを勝った馬を継続的に加筆していることから樹形図の枝葉はどんどん膨張していくわけで、このままだと次版の頁数はどこまで増えてしまうのか
……と頭を悩ませておりました。
いままではこの樹形図の文字のフォントサイズは 10.5 としていたのですが、父系樹形図と違って母系樹形図はどちらかというと左右に広がるレイアウトになるため、
例えば こちら の 1-a 族のように、どうしても余白が広くなってしまうのです(下線を付しているのが今世紀生まれのGI馬です)。
また、和名登録された馬はローマ字名と併記しているのですが、例えば 4-n 族のミッキーロケットの母親である「マネーキャントバイミーラヴ Moneycantbuymelove」
の名前があまりに長くて左右に入りきらず、かといって頁数はできる限り増やしたくなかったので、
こちら のように枝をカットした苦し紛れの記載となってしまいました。
でも、さすがにこのような例がいくつもあっては体裁が悪く、試行錯誤の結果、次版はフォントサイズを8に縮小することにしました。
そうすると、1-a 族は こちら のとおり2頁が1頁に収まり、
またミッキーロケットの枝葉周辺も こちら のとおりスッキリしたレイアウトになりました。
こんな感じで日々母系樹形図をアップデートしていますが、今後定期的に本コラム欄では、新たに加筆したGI馬の気になった母系について、
その樹形図をリファーしながら私なりの解説をしていこうかなと思っています。
手始めに昨日のダービーを勝ったシャフリヤール。
こちら のとおり、全兄がアルアインなので既にお馴染みでしょうが、
母ドバイマジェスティはBCフィリー&メアスプリントを勝ったGI馬です。
次にNHKマイルカップを勝ったシュネルマイスター。この馬の母も輸入GI馬(独オークス馬)で、こちら のとおり、
周囲にはお馴染みの名前がいくつも見えます。ドイツでは名前の頭文字を母親と同じにするルールがあり、Sで始まる馬のオンパレードが壮観です。
ソウルスターリングやサリオスもこれに倣ったのでしょうか?? サリオスのすぐ下には Sayonara という名前も見えますね。オーナーは親日家だったのかもしれません。
なお、我が樹形図では、違う種牡馬を相手に複数のGI馬を産んだ馬を太字にしていますが、ご覧のとおりビワハイジは太字です。
もうひとつ、先週の愛1000ギニーを勝った こちら の Empress Josephine は英オークス等GIを7勝しているマインディングの全妹ですが、
マインディングは こちら
の JAIRS(ジャパン・スタッドブック・インターナショナル)のサイトにもあるとおり、ディープインパクトの仔を産んでいます。
手前味噌ながら、この樹形図は世界的にも唯一無二の資料と思っており、引き続き加筆を頑張って参ります。
(2021年5月31日記)
「我が母系樹形図(その2)」に続く
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