英文版を必死に準備中

拙著の第4版の和文版は昨年 10 月になんとか完成しました。一方で、英文版の方も年末までにはなんとかと思ってはいたものの、とうとう 2026 年を迎えてしまいました。

拙著のメインの母系樹形図は英文版にはそのまま流用できるのですが、論述部分の翻訳および推敲に思ったより手間と時間がかかっています。 この我が論述の文字数は約 82000 です。3年前に星海社から上梓した新書の文字数は約 116000 でしたが、 その約7割なので、翻訳量はそんなにあるのか……とあらためて思ったところです。

この論述部分に挿入している図表にしても、翻訳後に複数のページにまたがりそうになった場合は、後ろのページにまとめてスライドさせるか、 それが不可能な場合は図表のどの行あたりで分断するかなどを個別に判断せねばなりません。また、推敲段階で加筆などがあって挿入図表の前後の行数が変わる場合は、 これまた玉突き的にページレイアウトの修正を要します。 加えて、「〇〇ページに掲載の図表は……」というようなくだりが他のページであった場合は、○○の数字もさらなる玉突きで要修正となり、かなりの手間です。 これ、外部への寄稿の場合は、全て向こうの編集スタッフがやってくれる作業なのですが、自作本の場合はそうはいかないわけでして。

翻訳についてはは AI(翻訳ソフト)に任せてしまえばいいじゃないか、と思うかもしれませんが、確かに AI にまずは下地を書かせました。 かなりの部分でそれが使えて有難いと思った一方で、やはり競馬や血統、さらには生物学関連の語句や言い回しには足らない箇所が少なくありません。 例えば、「名牝」を英訳させたら「famous mare」や「legendary mare」と出てきたのですが、しかしこれは「能力が高い」という意味までは含まないのです。

通常の競馬関連の英文において「産駒」の意味では「crop」を用いますが、そのように AI は訳し出してくれません。 せいぜい「offspring」といったところです。逆に「crop」を和訳させると「作物(農作物)」と打ち出されるのが実際です。 「crops of Deep Impact」を和訳させると「ディープインパクトの収穫」と出てきました。「深い衝撃の収穫」と出てこなかっただけでも及第点でしょうか。

「父サンデーサイレンス、母ウインドインハーヘアのディープインパクト」の場合、 「Deep Impact, by Sunday Silence, out of Wind in Her Hair」のように、 父方と母方で用いる前置詞(句)を使い分けるのが慣例ですが、まだまだ AI はここまで手当てしてくれません。 ちなみに母方は「out of」ではなく「from」を用いる豪州だったかのメディアの記事も見たことがあります。

とは言え、確かに AI は進化したなと感心した部分もありました。 「英ダービー」が「Epsom Derby」、さらには「桜花賞」が「Oka Sho (Japanese 1000 Guineas)」と出てきた時には、ちょっと唸ってしまいました。

昨年2月に書いた こちら には、海外から引き合いを受けている旨を書きましたが、そのアイルランドの馬主とおぼしき方からは、 その後も何度か照会メールをもらいました。さらにはアルゼンチンの獣医とおぼしき生産者からも先日3度目(4度目?)の照会メールを頂戴しており、 もうこれ以上、蕎麦屋の出前の返事はせず、早急に英文版を完成させると誓った新年でございます。

(2026年1月3日記)

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